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死刑台のエレベーター


2010年 日本
監督:緒方明
出演:吉瀬美智子、阿部寛、玉山鉄二、北川景子

 ルイ・マル監督ジャンヌ・モロー主演のフランス映画の名作、「死刑台のエレベーター」(Ascenseur pour l'échafaud 1958年)の日本でのリメイク作品。

 この映画の評価としては、ネット上で散々に(クソミソに、と言ってもいい)書かれている。曰く、ありえない人物ばかりとか、このストーリーを現代に持ってくるのは無理があるとか。まあ確かにそういう面があることは否定できない。でもそれをいうなら大抵の映画はおかしなところがいくつもあるだろう。この映画のオリジナルだって、ビルの電源を落としたらエレベーターが止まるなんて(50年代当時でも)まずありえない設定が物語の中心に置いてあるわけで、そういうストーリー上のお約束は飲み込んで鑑賞すべきじゃないかな、などと思ったり。

 携帯電話が通じないとか、ライカG3をきっかけにフィルムカメラを持ち出すなどこの映画のキーになる小道具を使う/使わないために苦心し、オリジナルで被害者が元敵国の観光客のドイツ人夫妻だったのをヤクザの親分にしたくらいで、それ以外はオリジナルとほぼ同じ展開。出演している俳優はみな名優といえる人たちで、演技の点ではほぼ文句なしなのだが、ヒロインを演じる吉瀬美智子(この女優さん全く知らなかったんだけど・・・)が、オリジナルのジャンヌ・モローに比べたら全く小粒で残念。
 ジャンヌ・モローには男を狂わせてもさもありなんと思わせるオーラがあったが、吉瀬には全くそれが感じられない。この人といい、ヤクザの親玉の愛人役のりょうといい、この監督はこういう顔の女優さんが好きなのね。残念ながら私の趣味とは会わなかった。この二人に魅力を感じなかったので個人的にはマイナスかな。もう一人のヒロインの北川景子はかわいいがただそれだけ。なのだが、かわいいだけで十分な役なので全然OK。あと端役では刑事役の柄本明と熊谷真実がやたらに日本の刑事っぽい空気を漂わせていてなんだか別の映画みたいなところが意表をついた味が出ていてよかった。

 気に入らない点がいくつかあったのだけど、たとえば吉瀬が夜の街を彷徨うシーン。急に雨が降り出して店の軒先に雨宿りしていると、小さな外人の女の子が「なにしてるの?」と話しかけるのだが、今急に雨が降り出したはずなのに女の子(とその母親)がばっちりレインコートを着ている、とか、玉山/北川カップルが殺人のあとなぜか被害者の車で逃げている(指紋とかついてるだろうに、なぜ自分たちの乗ってきた車を現場に残すのか)とか、玉山の登場シーンがなんでそうなるの、とか。そもそも阿部ちゃん、わかっているのにそのタイミングでエレベータ乗ったらダメだよ、とか。こういうディティールが映画全体をおかしくする。

 そしてオリジナルにあってこのリメイクにないものの最たるものはマイルスの音楽だ。オリジナルはマイルス・デイヴィスが映像を見ながら即興演奏をしたとされる素晴らしい音楽がついているが、こちらのリメイク版にはごくありきたりな劇伴音楽が流れるだけ。オリジナルのマイルスの音楽を使えとは言わないが、それに近いような味が出せたら映画全体もぐっと引き締まったかもしれない。エンディングがマイルスでなくてYukiではいかにも軽い。
 ・・・というわけで名画のリメイクなんかするもんじゃないという見本のような一作だった。いやオリジナルを知らずに観たら雰囲気もあってそれなりに面白いとは思うんだけど。
.10 2011 映画(日本) comment2 trackback(-)

comment

あのフランス映画は名作でしたのにね。実は、きちんと見たことはないのですが、故淀川長治さんの名解説を映画雑誌で読み、あの音楽はラジオで聴き、若き日のジャンヌ・モローをスチール写真で見て、中学生の頃に名画の名場面特集で少し見ただけで名作だよな、これは、と思ってただけですが(苦笑)

日本でリメイクされると読んで期待してたのですが、総合芸術とは難しいものです。

古瀬美知子は役柄によってはかなり魅力的な女性なのですけどね。
2011.09.13 19:43 | URL | mimosa #pSJ6Fihk [edit]
オリジナルは名画ですよ。私もずいぶん若い時に観てジャンヌ・モローのセクシーな大人の女っぷりにくらくらしましたね。

吉瀬美智子さんは線が細くって、この役はシナリオのせいかなんだか神経質な感じがどうも「?」でした。男との不倫愛のために旦那を殺そうとする女があんなに神経質というのはちょっと説得力に欠けます。
ところでこの人って「のだめ」のエリーゼ役だったんですね。全然気づかなかった…
2011.09.14 00:33 | URL | piaa #- [edit]

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