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久生十蘭ジュラネスク


 久生十蘭は以前、岩波から出ている「久生十蘭短編選」という作品集を読んで非常に面白かった。それでこの河出から出ている文庫もいち早く入手したのだが読み出すまでにえらく時間がかかってしまった。で、読み出してみると、あれれ?

 これには10作の作品が納められているのだが、前回読んだ「久生十蘭短編選」に収められていた15作とは全く趣が違うのだ。冒頭の「生霊」あたりはまだ「短編選」に近い雰囲気の作品だが、そのあとは「無惨やな」のような時代ものや、アメリカの横断鉄道を作る時の中国人労働者に対する非道を淡々と描くルポルタージュ風の「美国横断鉄路」などかなり多彩な作品が収録されている。
 こうやって読むと、本当につかみどころのない作家だということを痛感する。この人の作風はこんな感じ、というものがない。それでいてどれも滅法面白く、ミステリアスで目が離せない。前回も書いたが、この作家の作品についてはなにがどう面白いのかとても説明するのが難しい。とにかく読んでくれとしか言いようがないのだが…

 私自身が気になった作品を挙げておくと、ひとつは「葡萄蔓の束」。どうしてもおしゃべりがやめられない修道士のベルナアルさんを、なんだかこの作家には珍しく優しげなまなざしで見つめた、その優しげなところが異色な作品。
 もうひとつ、ラストに置かれた「死亡通知」。こちらはひたひたと迫るミステリアスな作品。レトロモダンな魅力も併せ持つ。この作品集中一番長い作品だが、この作品集の中ではこの作家のエッセンシャルな魅力の出た作品かもしれない。久生節の面目躍如だ。

 河出からはまた最近「十蘭万華鏡」なる作品集が文庫で出ている。こちらもいずれ読みたいと思う。
.23 2011 日本文学 comment0 trackback(-)

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