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熊谷達也 邂逅の森


 東北地方の山に住むマタギ、富治の、大正から昭和初期に至る半生を描いた作品。以前vogelさんが読まれて記事にされていて面白そうだなと思っていた作品。先日古本で入手して読んでみた。

 まあ結論から言ってしまえば、こんなに面白かった本は久しぶりだった。今年のベストワン強力候補である。
マタギの青年・富治を主人公に据えながら、マタギという特殊な職業を描くだけの陳腐な作品に終わらず、彼を取り巻くさまざまな人々、とりわけ彼が愛する二人の女性や、時代背景、さらに自然描写に至るまで生き生きと描いて、現代人が失った人生の豊かさを強烈に描き出してみせる傑作である。文庫で500ページ強とかなり長い作品だが、テンポがよく飽きさせない。東北弁のセリフや独特のマタギ言葉などはちょっと馴れが必要だが、誰にでも読みやすいリーダビリティの高さも特筆すべきだろう。構成も巧みで伏線の張り方、生かし方もきれいにまとまっている。ラストはややありがちな対決シーンになるが、そのあと重傷を負いながら愛する妻の待つ家に帰ろうともがく富治の姿には強い共感を覚える。

 これほどの力のある小説の前では、私が語ることはほとんど残っていない。ぜひ、この本を手にとって、富治の人生を追体験してほしい。それから、我々現代人はなにを失いつつあるのか、失ってしまったのかゆっくり考えてほしい。
.23 2010 日本文学 comment0 trackback(-)

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