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アントニオ・タブッキ レクイエム


 イタリアの作家タブッキが、ポルトガルの首都リスボンを舞台に、作品自体をポルトガル語で書いてしまった1991年の作品。タブッキの作品でリスボンが舞台というと「供述によるとペレイラは…」もそうだったが、「ペレイラ」は1994年の作品。「レクイエム」の方が先に書かれている。

 タブッキの作品には、誰かを探すとか調べるとかそういうシチュエーションの作品が多い。「インド夜想曲」「遠い水平線」がそうだったが、これも似たようなパターンで、この作品の語り手「わたし」はリスボンの町をさまよいながら詩人ペソアを探す。もちろんペソアは1935年に亡くなっていて、さまざまな人と出会いながら続く「わたし」のリスボンの旅は時空を越えていく。

 強烈な印象を残す作品だが、こうやってこの作品について語ろうとするとなにも語ることがないような気さえする。ニセモノやホンモノのラコステ。ビリヤード。安ホテル。美術館。そしてそこでの会話。うだるように暑い夏の日のリスボンを、作者と一緒に旅しているかのような作品。でもそれはリアルな旅ではなく、現実と幻想とのあいだを行き来する旅でもある。

 作中に出てくるポルトガル料理の数々がおいしそうなのかそうでもないのか。でも第5章に出てくるカクテル「緑の窓の夢」はちょっと飲んでみたいかも。「レクイエム」というタイトルから受ける重苦しい印象は全くなく、幻想的な中にも軽妙な明るささえ醸し出した不思議な作品だ。ここのところの猛暑の中読むにはうってつけの一冊。
.23 2010 イタリア文学 comment0 trackback(-)

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