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レーモン・クノー あなたまかせのお話


 「地下鉄のザジ」「文体練習」が有名なフランスの作家クノーの短篇を集めた一冊。
フランスではあまり短篇は好まれないそうで、クノーの短篇もここに収められたものでほぼすべてなのだそうだ。
 図書館で発見してつい借りてしまった。

 で、冒頭の「運命」を読み始めたわけだが、なんだこりゃ。箇条書きかよ。ジャン・フィリップ・トゥーサンの「浴槽」を思い出したが、こちらはあれよりも更に抽象的。次の「その時精神は…」になると更に意味不明。「世界 とはグラスの水の中に落ちこんだ錠剤のことである」なんのこっちゃ。でもなんとなく面白いことは認める。
 次の「ささやかな名声」あたりからはもうちょっと小説らしい。「パニック」はホテルに長期滞在しようとしてやってきた客が、なにかを恐れてそそくさと立ち去ってしまう。その客の恐怖の実態は全く描かれず、彼の事を何かに恐れをなして去っていく滑稽な客としてだけ見るホテルの従業員の視点のみでこの作品は書かれていて強い印象を残す。
 収録作品で一番長い「森のはずれで」はどうやら長編を書こうとした断章のようだが、しゃべる犬やサルなど、やはり一筋縄ではいかない。
 「通りすがりに」は戯曲。2幕ものなのだが、どちらもほぼ同じ、しかもかなり滑稽なあほらしい物語が配役を変えて繰り返されるだけ。どういう意図でこれを書いたのか全く想像を絶する。
 そのほかにも全然話が噛み合わなくてなんともおかしい「トロイの馬」、「カクテルの本」の序文に馬の尻尾を切る(Cocktail)話を書いてしまったやぶにらみぶりが笑える(のかな?)「エミール・ボウエン著『カクテルの本』の序文」、現代のゲームブックの形式を先取りした「あなたまかせのお話」などアイディア満載。

 そんなこんなでこの短篇集、とにかく面白いことは請け合いだ。しかしなんでこんな作品を書こうと思うのか、そこが疑問だ。で、そんな疑問にひょっとしたら答えている(?)のが巻末の「レーモン・クノーとの対話」。クノーはフランス語が話し言葉と書き言葉が全く違うことを指摘し、まるで異なる言語のようだと言う。そして彼自身のさまざまな文学的な実験について述べていて非常に興味深い。
 というわけでレーモン・クノー、面白い。「文体練習」俄然読みたくなったけど値段が超高いなあ。
.28 2010 フランス文学 comment0 trackback(-)

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