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完訳 千一夜物語 第7巻


 ワールドカップだ。昨日スペインが負けてしまってMINMINはおかんむりだが、まあそれは置いといて、毎日2試合くらいのペースで見ているわけで、はっきり言って読書どころではない。そんななかで会社の休憩時間だけでなんとか読んだ。全13巻にわたる千一夜物語もようやく折り返しの第7巻。

 前の巻くらいからかなりマンネリ度が上がってきている感が強いのだが、この巻では冒頭に置かれた『黒檀の馬奇談』がちょっとこれまでとは違うパターンだとも言えなくもない。これはあるペルシャの学者が作った空を飛ぶマシーンを巡る物語で、このマシーン「黒檀の馬」が、主人公が使えば最高の武器となるが、ひとたび敵の手に渡れば強力な敵となるあたりはまるで「鉄人28号」だ。「♪敵に渡すな大事なリモコン」というわけで(まあリモコンはないわけだが)、これは世界最古のハードSFと言えるかもしれない。
 続く『「女ペテン師ダリラ」とその娘の「女いかさま師ザイナブ」とが「蛾のアフマード」や「ペストのハサン」や「水銀のアリ」とだましあいをした話』(なんちゅう長いタイトルだ)は文字通りだましあいの物語。かなりコメディ要素の強い一作で楽しめる。
 『漁師ジゥデルの物語または魔法の袋』は兄の虐待に耐えて幸運に恵まれ、大変な実力者にのし上がったジゥデルのサクセスストーリーかと思いきや、終盤になって主人公のはずのジゥデルは兄の姦計にかかって殺害されてしまう。意外な、まるでギリシャ悲劇のような結末を迎える作品。どんな教訓が含まれているのか今ひとつわかりにくい話だ。

 『アブー・キールとアブー・シールの物語』も、悪辣な染物屋アブー・キールに振り回される床屋のアブー・シールを描いた作品だが、こちらはきっちり勧善懲悪で終わるのですっきり。
 あとちょっとしたエロ小噺『匂える庭の道話』をはさんでラストは『陸のアブドゥッラーと海のアブドゥッラーの物語』。これは海に住む人魚のような人物と物々交換の約束をした男が幸運を掴む物語。昔話ではよくあるパターンとは言えるのだが、最後の方で海の中を訪れるくだりがかなり突拍子もなく、それをきっかけにふたりが離れてしまうというなんだか欲わからない幕切れの作品だ。

 というわけでこの巻はちょっとモダンな作品が多かった印象。シャハリアール王のご機嫌もすこぶるよく、シャハラザードの首はもうちょっとは安泰か。途中でドニアザード(シャハラザードの妹)がなぜ王の寝室に居るのかとつっこむが、五百二夜めになって今更そんな事言うというのもなんだかなあ。
.18 2010 世界の民話 comment0 trackback(-)

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