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完訳 千一夜物語 第6巻


 千一夜物語第6巻は、短い物語を集めた巻になっている。これまでの各巻に比べて一話あたりの長さは一番短いのではないだろうか。その分読みやすいとは言えるかもしれない。

 六人のそれぞれ違った魅力を持つ乙女たちにお互いを貶し合わせるという一見悪趣味な『色異なる六人の乙女の物語』でこの巻は始まる。これはなんだがフェミニズムのカケラもない話で、もっともこれが書かれた時代にはフェミニズムなんてあるはずも無かったわけだけど、「千一夜物語」って基本的に女性が強い話が多いと思うだけにこの作品はあれれっという感じだ。もっとも貶しあってもそれは言葉の上だけという事で、女性蔑視的に見える物語の裏で、実は女性の真の強さをそれとなく主張しているのかもしれない。お話自体はコーランに書かれている内容をなぞったもので、第5巻にあった『博学のタワッドド』のバリエーションともいえる。

 そのあとムーサ公という人物が繰り広げる冒険譚『青銅の町の奇譚』や放蕩息子の大冒険を描いた『地下の姫、ヤムリカ王女の物語』などが語られる。特にこの「ヤムリカ王女」は第1巻第2巻あたりのパターンに戻った、いわば「千一夜物語」的に「正統派」の物語なのだが、残念ながら終わり方が今ひとつ。これを聞いたシャハリアール王は不満足で、こんな話を続けていたら…と、またしてもシャハラザードを脅す。

 そこでシャハラザードが語りだしたのが『智慧の花園と粋の庭』。これは全く関連のない21個の小噺を次から次に語っていく、いわば短編集である。この中にはわずか数行の小ネタからシャハリアール王が大嫌いな詩人・アブー・ヌワースの話や、シャハリアール王の前で語るにはかなり際どい「セット・ゾバイダの現行犯」と言った話まで含んでいて、よくもシャハラザード、首を失わなかったものだ。こうして危ない橋をなんとか渡ったシャハラザードはさらに、偽教王にで出くわした教王アル・ラシードのエピソード『奇怪な教王』、そして引き裂かれた男女の数奇な運命と再会を描く定番中の定番ストーリー『「蕾の薔薇」と「世の歓び」の物語』ですっかりシャハリアール王の機嫌も直ってしまう。ああ単純なシャハリアール王。

 というわけで、いろいろ工夫を凝らした作品が出てきてはいるものの、当然とは言えるが巻を重ねるごとにマンネリ度が上昇してきた感のある「千一夜物語」。さすがのシャハリアール王もそろそろキレそうな…
.26 2010 世界の民話 comment0 trackback(-)

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