スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

沙村広明 ハルシオン・ランチ 第1巻


 この作家の作品ははじめて読んだ。沙村広明は1970年生まれ。代表作には「無限の住人」という時代劇大作がある(らしい)。
「ハルシオン・ランチ」は講談社のグッド・アフタヌーンという雑誌に連載されている作品で、一部に非常に人気があると聞いてちょっと読んでみた。

 中年男性・元は自営業を営んでいたが部下が金を持ち逃げして破産。行く当てもなく所持金もなくなり、やけっぱちで川辺で釣り糸をたれていると、そこに謎の少女ヒヨスが現れた。このヒヨス、リヤカーから人間まで、何でも一瞬にして食ってしまう謎の宇宙生命体だったのだ。元の荷物を積んだリヤカーや魚やカニ、さらには元に絡んできたチンピラ二人をも平らげたヒヨスだった。さすがに人間を食うのはまずいという事になって、吐き戻すことになるのだが…

 …と言うわけでそうとうわけのわかんないストーリー紹介になってしまったが、そういうシュールなストーリーが展開するとんでもないマンガだ。かなりグロい面もあるが、相当破壊力のあるギャグがぽんぽん飛び出す。ブレードランナーからトムとジェリーまですざまじい量の小ネタも満載、小さな書き込みも読み逃せない。元とヒヨス、それにメタ子のトリオで展開するメインストーリーと、元の会社を破産させた張本人、進次とヒヨスの同族・トリアゾとのサブストーリーが同時進行して行くのだが、「食べる」という行為をSFに仕立てたアイディアはなかなか斬新で、さらに「食べる」の反意としての「吐く」という行為をもSF(というかお約束のギャグ)にしてしまう。
 この第1巻だけでも数人のチンピラやヤクザがヒヨスやトリアゾに食われたあと吐かれて怪物になるのだが、作者はその怪物たちがその後どうなったかなどには全く興味がない。メタ子なんかは第1回でつるんでいたオトコ二人が怪物になったのに第2回(第1回の翌日らしい)ではもうそんなことはどうでもよくなっている。そういうクールさ(というかいい加減さ)がまたこの作品の魅力である。
 ちなみにもうこの第1巻でヒヨスに関するほとんどの謎は解けてしまった。このあとヒヨスが食って吐くだけで、作品としてどれだけのクオリティを保てるのかちょっと不安なところもあるが、この作家ならなんとかしてしまいそうな気もするから不思議だ。

 これを読んで笑いながら、先日読んでつまらなかった円城塔の「Self-Reference ENGINE」との落差を思った。あっちは小説、こちらはマンガで当然表現の幅に違いはあるのだが、描かれている出来事のイマジネーションの飛翔(というか要するに荒唐無稽さ)に差がありすぎる。もしこの沙村広明という作家が、『祖母の家の床下から何かが大量に出てきた』というプロットで何か作品を描いたら、円城など及びもつかないほどのとんでもない作品を描いてしまうのではないだろうか、などと思ったり。いやそんなことよりも、ひょっとしてマンガという表現方法は、実はとっくに小説を凌駕してしまっているのではないかと思ったり。

 と言うわけで、また続きが楽しみな作品が増えてしまった。
.14 2010 コミック comment0 trackback(-)

comment

post comment

  • URL
  • comment

  • password
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

piaa

  • Author:piaa
  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。

    こちらのブログへのコメントはLivedoorに転載しますが、定期的にチェックしないので相当遅くなることもあります。

ブログナビ

P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ --年--月
  ├ カテゴリー
  |  └ スポンサー広告
  └ スポンサーサイト
P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ 2010年04月
  ├ カテゴリー
  |  └ コミック
  └ 沙村広明 ハルシオン・ランチ 第1巻

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

カウンター

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。