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円城塔 Self-Reference ENGINE


 実はこの本、最後まで読んでいない。なので本当は私にはレヴューを書く資格がないのかもしれない。

 正直言って私にとってこれは最近の数年間で読んだ本のなかでも最も面白くなかった作品のひとつである。読んでいる間退屈で退屈で、眠くなる事もしばしば。すごく高い評価をしている方も多いので、頑張って読んでみたのだが、あまりのつまらなさに全く読み進められず結局時間の無駄だと思い半分ちょっと読んだところでギブアップした。

 SF作品であるこの作品は、「イベント」と呼ばれる世界的規模のカタストロフ(?)のあと時間がめちゃくちゃになった世界で展開される物語で、「巨大知性体」が活躍するハードSF的な側面を持ちながらそういうスケールの大きないわゆる「SF」とは全く違う、いうなれば卑小な市民の目から見たような切り口で構成された短編集である。「イベント」がどういうものだったかほとんど具体的には書かれないし、それ自体この世界ではすでに大した意味を持っていない。いかにも読者を煙に巻こうという意図がありありの作品で、こう書くといかにも私の好きそうな内容に思える。実際北野勇作あたりに似た印象もあるのだが。では一体これの何がダメだったのだろう。

 簡単だ。それぞれの短編が面白くない。いや面白いものもある。例えば冒頭の「Bullet」などはかなりいい。だから後の作品にも期待を抱くのだが、その後面白くない短編を次から次へと読まされてどんどん(読んでいる私の)テンションが下がっていく。最悪なのが「Freud」という作品。ばあさんの家の床下からフロイドが大量に見つかるという奴である。ここで作者は不条理ドタバタギャグをやりたかったと思うのだが、一箇所も笑えない。ニヤリともできない。設定からしてあまりにもふざけすぎで、象徴性とか何とかを考える前にシラけてしまう。正直言ってこのエピソードでこの作品自体にシラけてしまって、読む気力を失ってしまった。

 作品に描かれている世界や内容が嫌いとか、倫理観的に認められないとか、そういう次元ではない。ただただ小説として、物語としてつまらなかった。これを高く評価している人はボルヘスの「不死の人」とかレムの「虚数」あたりをぜひ読んで欲しい。それらに比べるとこの作品のなんと内容のないことか。昨年飛浩隆の「グラン・ヴァカンス」を読んで日本SFすげえと思ったのに、なんだかがっくりきてしまった。
.24 2010 SF comment4 trackback0

comment

こんばんわ
乗れなかったみたいですね。
当初、爽やかなボーイ・ミーツ・ガール物になるのか、それともこわもてのSFになるのかと思いながら読んでたんですが・・
で、結構面白がりながらわたしは読了できました。
というのは途中から、昔、腹よじりながら笑えたおバカSF『銀河ヒッチハイクガイド』みたいなものだなあと思いながら読んだからです。
レムやらボルヘスの上っ面を掬い取って、再生産に再生産を重ねたものという気もします。
別にそういうものが有ったっていいし、実際楽しませてもらいましたしね。
ただ、ちょっと心配しちゃうのは、これを先に読んでからレムやボルヘスを初めて読んだ人(特にSF好き)はどう思うんだろう?てことです。
アイデア面のみとらえて「もうそんなの知ってるよ!古いね」なんて思う人が出てくるのかもしれません。

円城塔、もう一つ位読もうと思っています。
「数理的恋愛小説集」タイトルだけでも涎が出そうです(笑
2010.03.28 20:04 | URL | ojyamasimasu #- [edit]
ojyamasimasuさん、こんばんわ。

>レムやらボルヘスの上っ面を掬い取って、再生産に再生産を重ねたもの
なるほど、そういう印象はありますね。それでこんなに薄味なのかも。

こういう題材ならば、笑わせてくれるか、ぞっとさせてくれるか、とにかくなにか強い印象が必要だと思うんです。この作品にはそれがない。
だから結局読み進められなくてリタイヤしました。700円も出して買ったのに。
その点不条理感を漂わせながら冷やっこくて怖い、でもなんともユーモラスな北野勇作の「どーなつ」のほうが100倍くらい面白かったです。
2010.03.28 23:03 | URL | piaa #- [edit]
piaaさん、こんばんわ
>不条理感を漂わせながら冷やっこくて怖い、でもなんともユーモラス
に誘われて「どーなつ」完読しました
実は以前読みかけて、幼稚臭そうな気がして途中で投げたんです(アハ
わたしは枝雀さんの創作落語を連想しました
piaaさんの評はそのまま枝雀評と言ってもいいくらい
あれ、何の話だ?

p.s. 今頃エイプリル・フールネタですが(!)、将来の人類にとって(コストの問題もありますが)物理的に遠くに行くことはさして意味はなくなってるとぼくも思いますね
2010.04.09 22:06 | URL | ojyamasimasu #- [edit]
ojyamasimasuさん、こんばんわ。

「どーなつ」いいですよね。あのピンボケ具合が絶妙で。
残念ながら私、落語は詳しくなくて桂枝雀の創作落語はいまひとつピンと来ませんが。

>エイプリル・フールネタ
もうあの話はナシで(笑)
2010.04.10 00:21 | URL | piaa #- [edit]

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