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完訳 千一夜物語 第1巻

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 今年は世界の民話を読んでみようと言う事で、その皮切りに引っ張り出したのが「千一夜物語」。
実は「千一夜物語」には様々なヴァージョンがあるそうで、この岩波文庫から出ているのはフランスのマルドリュスという人の編集によるものの完訳版で全13冊とかなりの分量である。

 この第一巻には、シャハリヤール王がなぜ一夜をともにした女性を次から次に殺害する事になったのか、シャハラザードが王の夜伽をすることになったのはなぜか、そのいきさつが語られる「緒夜」が置かれている。これだけでもかなりどぎついスタートだが、続いてシャハラザードの語りだす物語が、どれもかなり強烈にエロチックな話ばかりである。女性不信で次から次に女性を殺害している王にこんな話を聞かせてもいいのかなどと思いながらも物語はどんどん流れていく。

 シャハラザードの語る物語の基本的な構造は、物語の中で登場人物がさらに物語を語って別な登場人物に聞かせるといういわゆる「入れ子」構造である。たとえば「荷かつぎ人足と乙女たちとの物語」では早速この作品集中大きなウエイトを占める登場人物、教主アル・ラシードが登場、荷かつぎ人足と三人の托鉢僧と三人の乙女たちとのトラブルに巻き込まれてしまう。そこで托鉢僧たちと乙女たちがそれぞれの身の上話をアル・ラシードに語り出す、という具合だ。それぞれの物語の奇想天外さととても巧みなこの語り口があいまって、シャハリヤール王ならぬ読者もすっかり物語に引き込まれてしまう。

 物語はとにかく面白い。どれも昔話らしく都合よくできていて、魔神など超自然的な能力を持つ者も登場する。挨拶の言葉や風俗などアラブならではの風物も盛り込んで読むものを飽きさせない。
 この第一巻の収録作品では最後の「大臣ヌーレディンとその兄大臣シャムセディンとハサン・バドレディンの物語」が圧巻。ひとつの物語(入れ子構造なし)で100ページに及ぶこの物語は親子二代にわたる巨編。魔神あり、数奇な運命あり、感動の再会ありで読み応え十分。最後に魔神のせいで行方不明だった娘婿ハサンを15年ぶりに見つけたシャムセディンが婚礼の日を再現するあたりは非常に洒落ている。

 というわけで面白いが全13巻、膨大な作品だ。ちなみに有名な「シンドバッド」は第五巻、「アラジン」は第九巻で登場。先は長いなあ。
.14 2010 世界の民話 comment4 trackback0

comment

私は東洋文庫版で読みました。
完読には、3年ほどかかりました。
最後の頃は何とか千夜一夜で読み終えようと必死でした。
2010.01.15 01:46 | URL | 来訪者 #- [edit]
東洋文庫版はアラビア語から直接翻訳された版とか。どのくらい内容が違うのか興味ありますね。
一年で読み終われるよう頑張ります。
2010.01.15 21:53 | URL | piaa #- [edit]
piaaさんの今年のテーマは世界の民話なんですね。
「千夜一夜」のタイトルをみて、昨年に引き続き「長編」なのかと思いました。
岩波文庫版(たぶん)の第1巻だけ読んで、
先のあまりの長さ=全部買った場合のトータル金額を考えてやめてしまいました。
物語はおもしろかったんですけど。

「千夜一夜」全館制覇前に、できましたらパムクの新刊のお毒味レビューをぜひ!(と勝手なお願いする図々しいヤツ)
2010.01.15 22:52 | URL | vogel #9JN9NMwM [edit]
vogelさんこんばんわ。
私は既に全巻持っていまして、実は15年くらい前に途中まで読んで挫折してるんです。15年前だからそれぞれのストーリーはさすがにほとんど忘れてました。
今回はひと月一冊のペースを予定しています。13巻なので今月だけ2冊読んで、そのあと「白い城」行こうかなと。
でも「白い城」、結構薄い本なので読み出したらすぐ読めそうかも。
お毒見はいましばらくお待ちください。
2010.01.16 00:44 | URL | piaa #- [edit]

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