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ダシール・ハメット デイン家の呪い


 ハードボイルドの祖、ダシール・ハメットは生涯に長編小説をわずか5作だけ残した。そのなかでこの「デイン家の呪い」はなぜか日本ではあまり話題にされず、1953年に「デイン家の呪」として出て以来今回のハヤカワ文庫版が56年ぶりの新訳で、入手困難な時期が長かった。当然私も今回はじめて読んだ。

 コンチネンタル探偵社の雇われ探偵「私」は科学者、保険会社の依頼でレゲットの家を訪ねる。ケチな宝石泥棒の調査だったのだが、レゲットが不審な死を遂げ、レゲットの妻アリスの実家、デイン家にまつわる呪いがレゲットの娘ゲイブリエルの上にも影を落としていることがわかる。やがて事件の背後に新興宗教団体の影があることに気づいた「私」だったが…

 実はこの作品、「赤い収穫」と同じコンチネンタル・オプが主人公なのだが、「赤い…」がアクション満載の作品だったのに比べるとかなり静かな展開で印象が違う作品である。作品は3つの部分に分かれていてそれぞれの部分で事件が起こり、一応結末が出る連作短編っぽいスタイルで書かれている。事件自体結構地味だし、正直「赤い収穫」や「マルタの鷹」といった他の傑作長編に比べるとやや落ちる感じは否めない。それでもかなり面白い事は間違いない。なにしろ「たった一冊の本の中でハメットの探偵は一人の男を撃って、七発撃ちこんでも倒れなかったので刺し殺し、もう一人を(4人がかりで)撃ち殺し、クロロフォルム、爆薬で襲われ、おぞけをふるうような場面から素手で闘って逃げ出し、五人の女性ともみあい、一人の娘を麻薬中毒から救い出す…(ジョン・バートロウ・マーティンによる書評より)」のだ。そう書いたら全然地味じゃないような気もするが、でもオカルトがらみのせいもあって全体にはなにやら淀んだイメージが強い作品であることに間違いはなく、タイトルから連想されるとおりの暗い印象を受ける作品である。それにしても今回もよく人が死ぬ。さらに場面が大きく三つに分かれるおかげで登場人物が非常に多い。名前を覚えるのも一苦労だ。おかげで読むのに結構時間がかかってしまった。

 ラストのほうでオプとゲイブリエルが恋仲になってしまうのかと思ってしまったが、そうはならず安心(?)。ラストの謎解きはかなり意外な結末だが、意外な結末であるがゆえにホントにこの結末で辻褄合っているのかちょっと自信がない。しっかり犯人の行動をトレースしてもう一度読んでみるべきかもしれないなと思った。

 というわけで小鷹信光氏の訳でハメットの長編五作が揃ったわけだが、すでに「ガラスの鍵」「影なき男」は廃刊。こういうベーシックなものはいつでも手に入るようにして欲しいものだ。
.27 2009 ミステリ comment0 trackback0

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