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映画 ラ・ボエーム


La Boheme 2008年 独・墺
監督:ロバート・ドーンヘルム
出演:アンナ・ネトレプコ 、 ローランド・ビリャソン

昨年公開されて話題になったオペラ映画。先日NHK-BSで放送されたので観た。

 「ラ・ボエーム」はジャコモ・プッチーニの代表作のひとつで、パリに住む芸術家の卵たちの生活と愛を描いたオペラ。スタンダードな作品だからよくTVでも放送されるオペラだ。普段放送されるのは当然舞台中継。最近観たものではメトロポリタン歌劇場による素晴らしいライブがあった。こちらは映画という事で、より自由な表現が可能になるだろうし、今をときめくプリマドンナ、ネトレプコが主演という事で非常に期待して観た。

 舞台作品を映画化する場合、舞台という制約がない分リアルな表現が可能に違いないと思うのは当然である。たしかにこの映画も、映画でなければ不可能な表現が随所にあって、たとえばロドルフォの「冷たい手」のアリアの映像などとても素晴らしい。舞台では語られるだけのショナールのオウム殺しのエピソードが映像化されたのは多分今回が初めてだろう。
 ところが実際には、映画だからこその表現の限界が現れてくる。たとえば第2幕。カフェ・モミュスでのクリスマスの夜の賑わいの中での恋の鞘当てゲームの場なのだが、この映画ではロドルフォたち一行とムゼッタとの遭遇は店の中で行われる。合間合間に聴こえる、子供達の声とかパルピニョールの声とかは通りで聴こえているはずで、そこに音楽と映像にずれが出ている。音では子供達の声が聞こえているのに映像にはあまり子供が見当たらないなどの不整合も起こっている。先日観たメトロポリタン歌劇場の舞台では劇場のの機能を目一杯使って、多分この映画よりも大人数のエキストラを巧みに使って全く自然で文句のつけようのない映像になっていた。映画版ではリアルに見せようとする作りこみがかえって「作りすぎた」感を与えてしまう。
 こういう違和感が全編に見え隠れして、それが気になって楽しめない。演出上の疑問点も多い。第1幕ではミミの着ているサテンのワンピースが貧乏なお針子にとても見えないし、画面があんなに明るいのにろうそくが消えたと言ってパニくるのはおかしい。さらには最後にミミの部屋に行ってベッドインしてしまうのは…う~ん。いや別にそこで関係持ってしまうのがイカンというのではない。関係持つならロドルフォの部屋で持つべきで、でないと第4幕の「懐かしい部屋」というミミの述懐に繋がらないと思うのだが。さらに第4幕ではこれまたあんまりなミミの衣装(超寒そうなノースリーブ)に唖然。そしてなんと言ってもあのラスト。ミミの遺体にすがって泣くはずのロドルフォはすぐ後ろに下がり、カメラが引いていくと死んでいるミミだけがぽつんと画面に取り残されて終わり。どういうつもりでああいうラストにしたんだろう。これじゃ泣けない。
 歌は素晴らしいがどう見てもMr.ビーンに見えるロドルフォ、どう見ても加藤ミリヤに見えるムゼッタがヴィジュアル的にどうも気に入らない。ネトレプコは美人だが、正直骨太すぎてミミのイメージではない。

 本編の前にメイキングが放送された。私は録画して観たのでメイキングをあとで観たのだが、ネタバレしすぎ。これは本編の前に流すべきじゃないだろうと思った。

 というわけで全く泣けない、残念な「ラ・ボエーム」だった。このオペラでこれだけ泣けないというのも逆にちょっとすごいかも。このオペラを観たい人は私が前に観たメトロポリタン歌劇場のゼッフィレリ演出でアンジェラ・ゲオルギュー主演のやつを見るべし。
.26 2009 映画(欧州・アジア) comment2 trackback0

comment

こんにちは。

これはせっかくだから良い音響で観ようと劇場まで観にいったのですが、演奏は良いのに、映画としては色々と微妙でしたね。少なくとも21世紀に製作された映画とはとても思えない完成度だったように思います。

おっしゃられてるように、4幕のミミがあまりに薄着なのに驚き、さらに、周りにいる友人達が皆コートなどを着ているのに、誰も彼女にそれを着せないなどあまりに不自然で・・・。

ラストも自分の趣味とは合わないなぁと思っていたので、piaaさんのご感想に共感いたします。

ミュージカルの映画化は割と完成度が高いものが多いのに、オペラの映画化となるとどうもパッとしない演出が多いのは何故なんでしょうか。

あと、これ、一部キャストの歌が吹替えなのですが、演じてる方もオペラ歌手なんですよね。あまりに気の毒ではないかと。
2009.12.27 12:21 | URL | ANDRE #- [edit]
ANDREさん、こんばんわ。

とても好きなオペラだし、ネトレプコはいつかTVで観た「椿姫」が素晴らしかったので期待して観たのですが…

>4幕のミミがあまりに薄着
そうそう。「マフどころじゃないだろ!コルリーネ、外套売るよりもミミに着せろよ」と突っ込みたくなります。
ラストはやはりミミにすがって泣くロドルフォと、一同が涙にくれる所を見せなきゃ泣けません。

半端な新解釈を施すくらいなら、いま流行のすごく前衛的な演出にしちゃうとか。ボエームではあまりそういうのは聞かないんですが…

ちなみに前衛的というわけではないですが、昔ケン・ラッセルのすごい演出の舞台があったらしいです。観てみたいなあ。
2009.12.28 00:55 | URL | piaa #- [edit]

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