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ホルヘ・ルイス・ボルヘス 創造者


 おお、ボルヘスの本が出てる、と思って中身も見ずに買って来たのだが、これはひょっとして詩集?
これまでにも書いたが、私は「詩」というやつがとても苦手なのだ。
 というわけでこの薄い本を読むのにえらく時間がかかってしまった。

 この本は前半が散文による短い作品を、後半は詩を収めてある。
ボルヘスという作家の作品から受ける印象は、とにかくその溢れるようなアイディアと、それを驚くほどのクールさで捌いてしまう驚異的な知性の持ち主、といったものだろうか。これほどの知性を感じさせる作家は私の知る限りでは他にスタニスワフ・レムだけである。
 そのボルヘスが意外にも「詩」を書いている。…いや別に意外ではないのだ。「ボルヘス詩集」という本も出ているようだし、ピアソラが彼の詩に曲をつけたものがあるという話を聞いたこともある。ボルヘスの創作の中で「詩」はわりと大きなウエイトを占めているのだ。

 思うに「詩」というのは基本的に情緒的・主観的なものであり、そこに知性とかの入り込む余地は(散文に比べると)少ない。「詩」は情緒によって読者を取り込んでしまう(そこが私が「詩」に親しめない最大の要素なのだが)。ところがボルヘスの書く「詩」には、「詩」としてはかなり客観的でありながら、ボルヘスの文章としては驚くほど主観的であるというものになっている。それらは「詩」として読むときも異形であり、「ボルヘスの書いたもの」としても異形なものという感覚に付きまとわれるのだ。結果「詩」が苦手な私には、「詩」としてはすんなり読める作品が多かった。

 一方、前半に置かれた散文による短い作品たちは、「伝奇集」「不死の人」で読めるものと近いとは思うのだが、それらに比べると上記の「詩」と同様、どちらかというと「知性」よりも「情緒」に傾いた作品が多いような気がする。
 ボルヘスという巨大知性の持つ人間味といったものを感じさせる作品集、という意味で貴重かもしれない。

 …というわけで一節引用。
『人気ない広間で、沈黙を守る
書物は時間の中を旅する。背後に
取り残された夜明けと夜の時刻、
そして私の生、この慌しい夢。』
(『アリオストとアラビア人たち』より)
.24 2009 中・南米文学 comment(-) trackback(-)

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