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高橋しん きみのカケラ 1~5巻


 「最終兵器彼女」を読んだ勢いで、同じ作家の「きみのカケラ」という作品を5巻まで入手、読んでみた。

 この作品は「少年サンデー」に連載されていたがすでに連載は終了、雑誌掲載時と現在コミックスで読めるものは大きく内容が異なっているらしい。しかも第6巻が2007年に発売されて以来続巻が発売されそうな気配すら全くない。ただし、私が読んだ第5巻まででストーリー的には一応の区切りが付いている。

 高い壁に囲まれ雪に閉ざされた国に住む少女イコロ。6学年も飛び級するほどの秀才だが、笑う事ができない。この国では喜怒哀楽の感情のひとつが欠落した人物のことを「ヒトガタ」と呼び忌み嫌う。イコロもその「ヒトガタ」であった。そしてイコロはこの国の王女でもあった。とはいえ王族はすでに没落しており、イコロの父である先王は行方不明。政族と戦族が覇権を狙っていた。そんなある日、イコロの家に謎の少年が転がり込んでくる。彼を追ってきた戦族と少年の戦いに巻き込まれたイコロは、少年とともに逃げ出す事になるが、少年シロはイコロの言う「太陽」を探しに行こうと言い出す…

 と、いう具合に少年マンガとしてはかなり大胆な設定のファンタジー作品で、善と悪、光と影が入り混じる世界観はかなり特殊である。とても『少年サンデー』の読者がついてこれるレベルではない。少年誌にこれを掲載するというのはそれ自体かなりの冒険であるといえるだろう。
 5巻まででイコロは少年シロとともに政族・戦族に対するレジスタンスの少年たちのグループに出会う。彼らの持っている「御神体」が戦族によって奪われ、政族が復活させようとしている古代の飛行機械「クジラ」または「ナマズ」を飛ばすために使われると知ったレジスタンスたちは襲撃を計画する。一方シロとイコロは「御神体」こそ「太陽」だと考えるが、シロは戦うたびに超人的な力を発揮するがそのたびに記憶を失ってしまうのだった…とつらつら書いていくと、「なんじゃそりゃ」とつっこまれそうな滅茶苦茶な設定にも思えるが、読んでいるとそんなに滅茶苦茶には思えず、逆にしっかりと世界が構成されていて違和感はない。少年マンガでここまで異世界をかっちり構築してきた作品は実はそう多くないのではないかと思う。

 はじめは明らかな敵役として出てきた戦族の「ベス」一味(これは明らかに「ヤッターマン」のドロンジョ一味を連想させる)や、戦いしか知らない残酷な一面と普通の少女の両面を持つレジスタンスの少女ヨナが、最後はイコロたちと一緒に行動することになり、イコロは王女としての自覚を持ち始めるといった作劇的には非常にわかりやすい展開である。この作者らしいギャグも、「最終兵器彼女」ほど物語から浮く事もなくいい感じである。ストーリの展開自体はそう凝ったものではないが、非常に精密に作りこまれた世界が圧巻で、「最終兵器彼女」以上に非常に独特な世界観を打ち出した作品であるといえるだろう。正直、「恋愛」が中心テーマで、「戦争」とか世界がそれに付属していた「最終兵器彼女」にあったイヤらしさ(エロとかではない)がなく、シンプルで親しみやすいファンタジー作品になっていると思う。
 第5巻の最後では破壊された「クジラ」(または「ナマズ」)からの脱出行が展開し、最後はイコロが行方不明になってしまう。続巻にてイコロの消息はわかるのだろうか。でもこのあとがまだ1冊しか出てないというのが…
いつ先が出るのだろう。
.07 2009 コミック comment2 trackback0

comment

実は高橋しん、とても好きです。
(「いいひと。」でハマったので、
「最終兵器~」はそれほどでもないのですが。)

この方は、雑誌連載と単行本とでは、
読者の読み方が変わるということで、
単行本化する際に、大幅な描き直しをするんですよね。
アニメでも小説でもなく
漫画でしか描けない表現方法で物語を描く人なのが、
気に入っています。

マーク・トウェインの原作を長崎を舞台に大幅にリメイクした
「トムソーヤ」という作品があり、なかなか好きなのですが、
piaaさんがどのように読まれるのかちょっと興味があります。

次々にヒット作を出そうとする少年漫画の世界で、
作者が納得いくまでじっくりと気長に完結を待つ
小学館の姿勢も好感が持てますし、
公式サイトを見ると、
「きみのカケラ」は続巻~最終巻までの
構成を練ったりペン入れを進めたりしているとのことなので、
ちゃんと完結はしてくれそうですが、
そろそろ待ちくたびれてきました・・・。
2009.07.08 00:08 | URL | ANDRE #mQop/nM. [edit]
最近は単行本化するのに大幅に手を入れるマンガ家が増えてますね。あずまきよひことか田中ユタカとか。一度書いたものを手を入れだすと際限ないような気もしますが…

それにしても、本当に完結するんでしょうかね。
完結するには最低でもこれまでと同じくらいの分量が必要そうですが…

「トム・ソーヤ」ね。今度気がけて探してみます。「サイカノ」も「キミカケ」も北海道弁がデフォルトなので、私の地元の長崎弁をどう料理しているのか、そっちにも興味ありますね。
2009.07.08 23:15 | URL | piaa #- [edit]

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