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イタロ・カルヴィーノ パロマー

pallomer.jpg
 カルヴィーノ最後の著作。170ページほどの薄い本だが、この作家の本はいつもながら厚さと内容の濃さが全く一致しない。薄いが非常に濃い内容で恐ろしく読みにくく、読んでしまうのに非常に時間がかかった。

 この作品はⅠ「パロマー氏の休暇」Ⅱ「街のパロマー氏」Ⅲ「パロマー氏の沈黙」という3部に分かれていて、さらにこの各部がそれぞれ3つの部分に分かれている。例えばⅠ「パロマー氏の休暇」は、Ⅰ-1「浜辺のパロマー氏」Ⅰ-2「庭のパロマー氏」Ⅰ-3「パロマー氏空を見る」という具合に。そしてさらにこれらの各部がそれぞれ3章からなっている。というわけで全部で27の章からなるこの作品にはストーリーはない。ただ作者の分身である(に違いない)パロマー氏という人物が様々な場所で…パリで、ローマで、京都で、バルセロナで…目の当たりにした事物をきっかけにしてあれやこれやと思索する、ただそれだけの作品である。そこには普通に小説にありそうな描写的なものが極力排され、ほとんど存在しない。「見えない都市」にあった詩情もここにはない。ここにはただただ思索があるだけで、思索だけで書かれたこの作品は一種の哲学書のごとき空気さえ漂わせる。しかしそれほど堅苦しいわけではないので、哲学書に比べたら読みやすいし、割とユーモラスなものもあるのだが、かなり集中して読まないと頭の中に入ってこない作品だとは言える。ぼんやり読んでも、理解はできないにしてもそれなりに楽しめる「見えない都市」と違ってやや敷居が高いかも知れない。

 私が気に入ったのは海辺で胸をあらわにして寝そべっている若い女性に対して、どう視線を向けるべきなのか悩む「あらわな胸」、旅行先の東洋の町のバザールでサンダルを買ったら右と左でサイズが違っていた事から考察する「不揃いなサンダル」あたりかな。
 いずれにしても「見えない都市」「冬の夜、ひとりの旅人が」同様、この作家ならではの極めて個性的な作品だ。なにか今回はあまり興が乗らないまま読んでしまった感じなので、また今度ゆっくり少しづつ読んでみたい作品だ。…ってカルヴィーノっていつもそんな感じだけど。
.05 2009 イタリア文学 comment0 trackback0

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