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スター・トレック


Star Trek 2009年 米
監督:J.J.エイブラムズ
出演:クリス・パイン、ザッカリー・クイント、レナード・ニモイ

 公開初日の初回上演を早速観て来た。スター・トレックの映画としては「ネメシス」以来6年ぶり。ちなみに個人的には映画を観に劇場に足を運んだ事自体が数年ぶり。それだけこの作品だけは一日も早く観たかった、という事かな。

 USSケルヴィンが謎の宇宙船と遭遇、攻撃を受けるシーンからこの映画は始まる。この船に副長として乗り込んでいたカークの父は戦死、そのとき生まれたばかりのカークはやがて連邦艦隊士官になる。ある日バルカン星で謎のトラブルが発生、艦隊に出撃命令がおりる。「コバヤシマル」テストでの不正が露見して謹慎処分中だったカークは友人マッコイの機転で新造戦艦エンタープライズ号に乗り込む。カークはバルカンでのトラブルが父の戦死した時と同じ状況である事に気づき、パイク艦長に進言するが、副長のスポックと対立してしまう。

 これは以前から、『40年前に製作された「宇宙大作戦(TOS)」の主人公カークらの若き日の物語』という話が漏れ聞こえてきて、もちろん期待をしてはいたんだけれど、予告編やスチール写真を見るとメカとかとてもクールでハイテクで、エンタープライズのデザインも現代的にブラッシュアップされていてあのTOSのレトロモダンな雰囲気とは大きく違うのがやや気になっていた。ところが実際に観だすと、そんな事は全然気にならない。

 もちろんスター・トレックの昔からのファンなら「コバヤシマル」テストや、エンタープライズのメンバーが以下に昔のキャストと似ているか(あるいは似ていないか)とかいろんな楽しみ方もある。そんな中で、『ここでロミュランと一戦交えると歴史が変わるけど』とか『ここで○○星が破壊されると歴史が変わっちゃう』とか気になるのだが、そのへんはちゃんと歴史が変わってもOKな設定というのも、力技とも言える。この映画自体がTOSのパラレルワールドの物語なのだ。これはSFとしてはかなり強引な設定と言えるが、思えばスター・トレックではこれまでもこれに近い事がたびたび起こっていて、言わば常套手段だったのだ。それをシリーズ全体の歴史を書き換えるほどのスケールでやってしまうのだから思い切りがいい。

 ウフーラがすっかりヒロイン扱い(しかもアノ人と恋仲?)だったり、チェコフが実は天才肌の青年(劇中で17歳だと明らかにされる)だったり、スールーが剣術の名手だったりそれぞれのメンバーにちゃんと見せ場が用意されているのもファンには嬉しい。さらに遅れて登場のスコットを演じるサイモン・ペッグは、なんといってもオリジナルのジェームズ・ドゥーハンにそっくりで嬉しくなってしまう。しかもあの僻地に左遷された理由が『転送の実験の失敗でアーチャー提督の犬を消しちまった』というのはシリーズのファンなら爆笑ものだ。そのほかにもドクター・マッコイの愛称がなぜ「ボーンズ」なのかとかファンならわかる小ネタがびっしり。
 で、主役の二人、カークとスポックなのだが、スポックはTOSよりもやや人間的な感情の強い性格に描かれていて、親近感は沸くがクールなスポックとしての魅力はやや後退。でもこれはこれでいいと思う。演じるザッカリー・クイントも無表情な中にもスポックの複雑な心情をうまく出していて好演。クリス・パインのカークはちょっとハンサムすぎる感はあるが、直情的なカークなのだから若い時は確かにこのくらい熱くても当然だと思わせる。女好きの側面も露骨なくらいに見せてくれる(あ、Hなシーンはなしでね)。
 そして未来からやってきたスポック。レナード・ニモイの演じるスポックはTNGの「潜入! ロミュラン帝国」(1991年放送)以来の登場。ロミュラン大使になっていたスポックは、ロミュランを救おうとして失敗し、結果24世紀のロミュランは滅んでしまう。ということは、この部分は「ネメシス」よりも後の話と言う事か。

 …と、従来シリーズのファンとしての視点でここまで書いたが、青年が主人公であり、人物のバックボーンがちゃんと描かれている事もあって、これまでぜんぜんスター・トレックを観た事のない人でも充分楽しめる作品になっている。これまでスター・トレックの事を知らなかった人や、シリーズの膨大さに恐れをなして手を出してなかった人にぜひ観てほしい映画だ。

 映像的には、ひょっとして歴代エンタープライズの中でも最高にかっこいいエンタープライズはもちろん、キラキラ眩しいほどの明るい配色の艦内をはじめ、全体に非常にキレの良い映像でとても観やすい。これまでに積み上げられてきた歴史の設定をリセットするというのは、ファンに反発を食う可能性もあるやり方だが、それだけ相当な勇気と信念を持って製作された映画だと言う事だろう。それは見事に成功している。
 この映像、このキャストで更なるエンタープライズの冒険を観たい。シリーズ化を期待。
.29 2009 スタートレック comment(-) trackback(-)

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