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平井堅 歌バカ


うちのブログで取り上げるにはあまりにもメジャーな歌手・平井堅。「楽園」でブレイクしてからは「大きな古時計」や「瞳を閉じて」などを立て続けにヒットさせている。このアルバムはデビュー10周年記念のシングル全曲を収録した2枚組みCDと、同内容のビデオクリップを収めたDVDのセット。
 ブレイクのきっかけになった「楽園」がR&B色の強いナンバーだったので、いまだに平井のことをR&Bぽい音楽指向の歌手だと思っている人が多いが、それは間違い。この人はこのアルバムのタイトルどおりの、歌が大好きな兄ちゃんで、童謡だろうがR&Bだろうが好きな曲を歌いたい歌手なのだ。

 意味不明な歌詞の多いいまどきの邦楽には珍しく歌詞がいい。
 『闇に惑う 僕の未来は 君に出会って今 光放つ』(Miracles)
 もうそんなチャンスはないが、一度言ってみたかったセリフだ。

 『いつかは君のこと なにも感じなくなるのかな
 今の痛み抱いて 眠るほうがいいかな』(瞳を閉じて)
 恋人を失った痛みと、その恋人を忘れてしまうことによって二重に失うことを恐れる気持ちが胸を突く2行である。

 あと友情の歌にもラブソングにも聞こえる「キミはともだち」が印象的。「みんなのうた」風のクリップもいい。

 そして「even if」について…この歌の主人公と彼女は友人で、彼女の恋人「彼」を含めた三人は友人というより親友なのだろう。恋人の「彼」ぬきでバーに飲みに来てるのだから「彼」も彼女も主人公を信頼していて、彼女のことを好きだなんて思ってもいない。
 このシチュエーションは浜田省吾の往年のヒット曲「もうひとつの土曜日」(85年)に近い。ただあっちの曲は彼と彼女が危機的状況だったが、こっちは彼と彼女はラブラブという違いはあるが、彼氏もちの彼女を攻略しようとする主人公たちの下ゴコロは時代を超えて共通なのだ。
 80年代のアホ青年・浜田はフェミニズムなんてコトバは知らない。女なんか口説けばヤレルと思っている。だから彼とうまくいっていない彼女をうまく誘い出し、友達に車まで借りて(この時代の若者は車なんか持たなかった)あーだこーだ言って、ホテルの部屋をとって、指輪まで用意して強引に攻める。
 これでひっかかる女は相当なお馬鹿さんだ。最後にどうなったかは歌われないが、まず確実に撃沈したであろうことは言うまでもない。

 対する21世紀の青年・平井は…手も足も出ない。彼女の幸せそうな笑顔を見て、バーボンのグラスを傾けながら、あれやこれや妄想するだけ。結局「時計の針を気にした」平井は彼女を、彼の元に送っていくのだ。

 女の口説き方も会社の営業みたいなもんで、景気のいいときは浜田風に強引に、景気の悪いときは平井風に相手のニーズに応じて、という事かな?
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.29 2005 J-POP comment3 trackback0

ついに新PC導入

5年間も付き合ったWinME(PentiumⅢ 1Ghz)からWinXPのマシン(CeleronD 3.2Ghz)に買い換えた。
とても早くて感動モノである、が、
インストールするものや移設するデータが多いので、当分はブログの更新もままならないかもしれない。
.28 2005 PC/家電/カメラ等 comment0 trackback0

ビッグ・フィッシュ


Big Fish
2003年 米

監督:ティム・バートン
出演:ユアン・マクレガー
ヘレナ・ボナム・カーター

 ホラ話ばっかりしている父親と、そのホラ話に辟易している息子。父親のいつも話すホラ話は、一体どこまでが真実なのだろうか。
 物語は物語られるごとに少しずつ変貌していく。それは物語の宿命である。皆さんも例えば会社や学校での出来事を家族に話すうちに事実と違っていることがあるだろうし、それが面白い話だったとして、家族の誰かが友達に話すとしたら、また少し変貌していく。そのうち元の話とは似て非なるものになる事すらある。
 まして父や母の子供時代や青春時代の話などは、子供たちにはなかなか想像できないものだ。
 さらに、学生時代の友人と話しているとお互いの記憶の細部が食い違う事はよくある。もはや事実は検証しようもない。

 私が子供たちに私の子供時代や青春時代の話をすると言うのは、もうそれだけで大いなるホラ話なのかもしれない。
 それならこの映画の父親を見習って、子供にはできるだけ大きなホラ話を聞かせてやったほうがいいのかも知れないなどと思ったりした映画だった。

 映画はティム・バートンの監督作品らしいダークでノスタルジックなファンタジー。
 ヘレナ・ボナム・カーターが強力な存在感で光っている。
.25 2005 映画(ハリウッド) comment0 trackback0

太陽系って広い

 「はやぶさ」のイトカワ着地がうまくいかなかった日に、ブログを検索してみたら、結構JAXA(宇宙科学研究本部)に苦言を呈するような論調が多かった。ま、確かにNASA/JPLが土星探査で成果を上げてるのを思うとアレだが、日本の宇宙船としては最も遠くで活動している訳で、あの素晴らしい写真たちだけでもすごい事なのだ。
 で、ちょっと1億分の1の太陽系のモデルを考えてみた。
下の図は地球とイトカワの軌道と現在の位置関係。地球とイトカワの距離は2億8800万キロ。
1億分の1だと、地球は直径12.7cm。ソフトボール大である。地球-イトカワの距離は2.88km。ほぼ中間に太陽があり、太陽は直径13.92メートルの火の玉である。イトカワの大きさは…0.0055ミリ。
 こう考えると、こんなに小さなものに、接近させるだけでも至難の技なのだ。

 さてその縮尺でいうと太陽から2.3kmの所の軌道を飛んでいる火星では、スピリットが火星暦での1周年を迎えた。下の画像はCGで合成された火星上のスピリット。

姉妹機オポチュニティと共に、こんなに長く他の星の表面で活動した探査機は他にない。マーズ・エクスプロレーション・ローバーのHPはこの(火星暦での)1年の記録満載。わたしもずっと付き合ってきたが、驚きの連続であった。

 最後は土星。先ほどの縮尺のモデルだと、太陽から14.3km先にある直径1.25メートルの球体である。
 下は探査船カッシーニの撮影した衛星パンドラの写真である。

パンドラは、土星の輪の中でFリングと呼ばれる一番外側の輪の、羊飼い衛星と呼ばれている衛星で、Fリングを重力的に安定させる役割があるそうだ。長径110kmのジャガイモ型の星であるが、表面の異常な滑らかさがこの星の成り立ちの不思議さを物語っている。先日紹介した同じ土星の衛星ヒュぺリオンとは全く違うのは一目でわかると思う。

 さてNASAは来年早々にもニュー・ホライズンという探査船を打ち上げるそうで、10年近くかけて冥王星を探査するそうだ。
冥王星というと、先ほどの縮尺で言うと60km先の直径2.3センチのビー玉になる。いやはや、太陽系って広い。そして宇宙って思っているよりもずっと空虚なのである。
.22 2005 宇宙 comment2 trackback0

なに見てるの?



.21 2005 ねこ comment0 trackback0

はやぶさ、イトカワへ



 今日はやたらにアクセスが多いのでアクセス解析を見るとどうやら小惑星イトカワで検索して来ている人が多いようだ。
 ニュースでも報じられているように今日早朝、「はやぶさ」はイトカワに着地を試みたが、途中で自動的にセーフモードに入って連絡が取れなくなり、結果的には着地は失敗だったようである。
 機体が危険な状態になると自分でセーフ(安全第一)モードに入るなんて、「はやぶさ」はなかなか賢い奴だ。
 やはり宇宙の果ての探査機を小さな目標に微妙に着地させるこのミッションはわれわれが想像するよりも難しいのだろう。
 早ければ25日にも再挑戦とか。がんばれJAXA!
 写真はイトカワのクローズアップ写真。オリジナルは1ピクセルが数センチというスケールの、きわめて解像度の高い映像だそうだ。
.20 2005 宇宙 comment4 trackback0

スタニスワフ・レム 泰平ヨンの現場検証



 泰平ヨンシリーズ第四作は文庫本で420ページに及ぶ長編である。
 ヨンは休暇で出かけたスイスで訴訟沙汰に巻き込まれ、裁判の間足止めを食う。暇つぶしに歴史機研究所に出かけたヨンはそこで将来、「航星日記」中の「第14回目の旅」に記載された内容が間違いだらけだとして惑星エンチアのルザニア、クルトランディアの二国から抗議されると予測されることを知り、文献を当たってエンチアの歴史、文化や生物学について調べたのち、エンチアに向かうのだが…

 このエンチアのことについて調べる、というくだりでほとんど改行もせずに200ページ近くを費やすのがレムらしいところで、「ソラリス」の「ソラリス学」を思い出すが、「エンチア学」のボリュームは大変な物で、エンチアの生物の進化の歴史から、エンチアにおける神学まで、徹底したものである。学術書を読んでいるの同じ感覚で、とんでもなく読みにくい。しかし読み終えるころには、読者はいっぱしのエンチア学の博士である。

 エンチアにはクルデルという恐竜のような動物が生息している。クルトランディアの人々はこのクルデルの中で、原始的・封建的な生活をしている。
 もう一つの国ルザニアは文明国家で、一見ユートピアに見えるこの国の国民は知精という謎のエレメントによって支配されている。この知精の働きで、ルザニアの人々は、他人に危害を加える事ができない。実は以前はクリヴィアというもうひとつの国があったのだが、ルザニアと敵対した結果、知精によって一人残らず滅ぼされてしまったらしい。らしいというのは、ルザニアはクリヴィアを滅ぼした事を認めていないからである。
 
 とにかくそのとても細かい所まで考え抜かれたエンチアという惑星についての考証がすごい。エンチア人は人類とは全く違う生殖方法をとるので、人類が生殖に対して抱く羞恥心が理解できないのであるが、ここから人類の神学の矛盾点を指摘するに至るまでを組み上げていく手腕はさすがに見事。レムという人はこういうもの(架空の本や、架空の惑星)をでっち上げる事にかけては超一流である。おそらくエンチアはSF小説に出現した惑星の中でも、もっとも詳しく描かれた惑星のひとつであろう。

 そして物語の行間に流れるペシミズム。二つの国のおぞましい実態を目の当たりにしたヨンには、もはや夢オチすら許されないのである。人間を飲み込み、自由のないクルトランディアと、一見自由に見えながら、目に見えないものに支配されるルザニア。ペレストロイカ直前に書かれた、二つのおぞましい大国のカリカチュアだろうか。
.20 2005 スタニスワフ・レム comment0 trackback0

のらねこ・今日の一枚



.19 2005 ねこ comment0 trackback0

バーンスタイン:マーラー交響曲第4番



 グスタフ・マーラーは19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーン・フィルの常任指揮者として活躍したユダヤ系指揮者兼作曲家である。
 残念ながら時代がわずかに早すぎたので彼の演奏の録音は残っていないが、作品は、未完の作品や番号のない物を含め11曲の交響曲と五つの歌曲集などがのこされていて、その大半が現代の演奏会の主要なレパートリーになっている。
 彼の交響曲はいずれも長大で、最大の第3交響曲などは演奏に1時間40分もかかる上、合唱団やソプラノ・アルトのソロも加わる(で、出番は数分)というとんでもない作品である。
 その他にも第8交響曲は8人の独唱者と3パートの混声合唱と児童合唱、さらにパイプオルガンを要求し、総勢で1000人近い演奏者が必要なので「千人の交響曲」と呼ばれる事もある。
 要はかなり巨大趣味な作曲家と言っていいが、その音楽そのものは甘ったるいメロディと、複雑で爆発的な音響と、哲学的な展開を持つ極めて多面的な物である。
 さて第4交響曲は彼の交響曲の中ではもっとも短い部類の物なのだが、それでも演奏時間は約55分。第四楽章にはソプラノの独唱が入る。
 天国の安息を描いたというこの作品、マーラーの作品の中ではかなり静かな作品で、これをマーラーと同じユダヤ系の指揮者兼作曲家だったバーンスタインがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮して録音したのがこのCD。
 とても美しい演奏で、ライナーノーツに福永陽一郎氏が「花園」と表現しているが、まさにそんな感じの演奏である。もちろん美しいだけではない、マーラー一流のグロテスクさも方々に仕込まれていて耳が離せなくなる。
 第四楽章の独唱がボーイ・ソプラノで、天国の無邪気な残酷さを歌うこの楽章のイメージにはまりすぎてちょっと怖いかもしれない。
 これは全集の中の一枚。ジャケットのエルテのアールデコな絵もマーラーにぴったり。
.18 2005 クラシック音楽 comment0 trackback0

テンプレートを変えてみた

星のテンプレートにしてみた。
オリジナルは文字がやや小さかったので、
少し大きくしようとしてHTMLをいじってたら疲れた。
皆さん気に入ってくれるかなあ
.17 2005 日記など comment4 trackback0

「天の声・枯草熱」やっと届く

 注文して1週間しても届かないので、問い合わせてみると、運送会社で行方不明になっていたらしく、今日やっと届いた。国書刊行会レムコレクション第3弾「天の声・枯草熱」

長編2作を強引に一冊にまとめたのですごい分厚さ。文字も小さいし2段組で、ただでさえ読みにくいレムなのに、これは読むのにさらに骨が折れそうだ。
 今読んでる「泰平ヨンの現場検証」を読み終えたら読もうと思うが、「現場検証」はきわめてヘヴィ(惑星エンテロピアの文化についての説明に200ページも費やしている!)なのでいつになることやら。

 さて、今回は国書刊行会のオンラインショップで注文したのだが、そしたら国書刊行会の本のパンフレットが多数入ってきた。その中でも目を引いたのが「世界文学あらすじ大事典」。古今の世界文学1001編のあらすじを紹介したという途方もない本で全4巻、各巻18900円!図書館においてあるなら判るが、個人で誰か買う人いるのだろうか。3000円くらいなら欲しいけど。

 ところで「枯草熱」は「こそうねつ」と読むそうだ。「かれくさねつ」は誤り。知らなかった…
.15 2005 本についての雑記 comment9 trackback0

のらねこ

かみさんの実家はわが家から車で10分くらいの所にあるのだが、そのあたりにはのらねこがやたらに多いのだ。野良猫って飼い猫ほど媚びてない分、表情も豊かで面白い。今日は記事のネタもないのでちょっとご紹介。

こいつは長老格の、通称「キナトラ」(長崎の方言で黄色の事をきなというのだ。だからキナトラは「黄色いトラ」の意)かなり顔がでかい。最近は人からエサをもらえる事を知ってエサをねだるようになった。エサをねだって鳴くと顔からは信じられないような可愛い声で鳴く。

そのキナトラに、人間にちょっと媚びるとエサをもらえる事を教えたのがこの黒猫、通称「ジジ」(「魔女の宅急便」に出てくる黒猫から)。元飼い猫らしく、人間が大好きで、私やMINMINを見るとすり寄ってくる。とても可愛い奴なのだが、最近はラクしすぎて太り気味。何しろ真っ黒なので写真写りがいまいち。

夏生まれの子猫も4匹いる。母親はグレーのキジ猫だが父親は誰かよくわからない。

写真は4匹の子猫のうちの一匹と母猫の会話のシーン。
母猫が心なしか中腰なのがほほえましい。

他にもマッチョなオス猫「ソックス」(こいつはすばしっこい本格ノラなのでなかなか撮影できず)など個性的な猫たちがいる。
これから冬、ノラたちにはきびしい季節だ。
.14 2005 ねこ comment4 trackback1

火星の一年

 火星の一日は24時間39分35秒、火星の一年は668.6火星日(687地球日)である。火星の春分点・秋分点から計算すると今日2005年11月11日は火星暦14年2月44日(火星暦1年はヴァイキングの着陸の年)だそうである。

↑スピリットの撮影した火星のパノラマ写真。クリックで拡大

 現在活躍中のNASAの探査機スピリットは2004年1月3日に火星に着陸したので、火星暦で言うと13年3月8日。もうじき(11月24日で)火星での一周年を迎えることになる。火星の一年は地球の約1年11ヶ月に当たるのだ。
 火星の暦についてはCMEX Mars Calendarのページを参照のこと。
 火星は太陽系の惑星の中でもかなり楕円軌道をまわっていて、近日点と遠日点の差が大きい。このため北半球の夏は太陽から遠ざかるので長く(7月は70日もある)、冬は太陽に近づくので短い(12月は42日しかない)。
 これを考えると、将来火星の環境を地球化して人類が住むと、北半球はともかく、南半球は長い、しかも太陽から遠ざかるきびしい冬を過ごさないといけないので大変かもしれない。
火星の土地を販売しているルナエンパシーで火星の土地を買うなら、北半球にしよう。それと海ができた時沈まない所を選ばなきゃね。
.11 2005 宇宙 comment4 trackback0

スタニスワフ・レム 泰平ヨンの未来学会議



 われらが泰平ヨンは、未来学会議に出席するためコスタリカに出発する。しかしそこでテロリストの幻覚剤攻撃を受け、致命的な傷を受けて冷凍されてしまう。次に目覚めたのは西暦2039年だった。一見ユートピアのその世界で、ヨンの見たものは…?

未来が2039年ってあんまり近すぎるような気もするが、これは1971年の作品である。作品が書かれたころは近すぎず、遠すぎない未来だったのだろう。さすがのレムも、現代のネット社会は予測できなかったのだが、その点を除くと非常に現代的なSFである。
 ここで描かれる未来は薬物に依存する恐るべき世界である。人間のすべての感情や行動を幻覚剤によって満足させているのである。これは前回取り上げた「泰平ヨンの回想記」でもさかんに取り上げられていた、「認識」の問題の延長である。
 人と世界とのインターフェイスは、五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)のみに依存している。この五感すべてを奪われたら、人は世界との繋がりを断たれてしまう。ましてコントロールされたら、人は偽りの世界に住む事になる。
 「回想記」第1話では、コルコラン教授の作った人工知能が、自分を人間だと思って偽りの世界に住んでいるのだが、それを見ると、われわれが感じているこの世界はどこまで信じられるのか疑問に思えてくる。このテーマの延長上に本作があるわけである。
 それにしても、レムの作品はもともと造語が多いのだが、この「泰平ヨン」シリーズはその中でも横綱級である。要するに辞書にない単語がぽんぽん出てくるという事だ。さぞ翻訳者は大変だったろうと思う。
 これは集英社から出ていたが現在廃刊。4作ともぜひ復刊して欲しい。

 ところで前回「回想記」の記事で「航星日誌」の復刊予定がある、と書いたがこれはガセネタだった。国書刊行会から出る予定の「短編ベスト10」に「航星日誌」のなかの作品が収録されるだけのことで、どう考えてもこれは復刊ではない。
 「復刊ドットコム」さんは即刻「復刊決定」の表記を改めてほしい。
 さて、次「現場検証」行こうか…でももうすぐ「天の声/枯草熱」が届くなあ…
.09 2005 スタニスワフ・レム comment0 trackback0

MINMIN VS KLEE


古本屋で、パウル・クレーの画集(集英社・世界美術全集第13巻 1971年発行)を見つけたので600円で買ってきた。
 私が前回の記事で紹介した「いにしえの響き」ほか3点は載っていないが、代表的な作品73作が見れる。この作家はアブストラクトの作家が陥りがちなワンパターンに落ち込まず、たくさんの方法論を持った柔軟な画家だった事がよくわかる画集であった。

 さて、わが家のクリエーター、MINMINはこの画集で初めてクレーと初対決。彼女の鋭い感覚は抽象画に対しても変わりないのだが、現実の絵と題名とのギャップが面白かったようだ。
 例えば「庭の人物」

の人物ってどこにいるんだ~、とか。

「にぎわう港」

という作品は、彼女にとってはどこからどう見ても迷路にしか見えないのだそうだ。それでもこの、一見コムズカシイ抽象絵画の画集を楽しんで見ているMINMINは、わが娘ながらなかなか頼もしいと思う。

 でも彼女もやっぱり「いにしえの響き」が一番好きなようだ。たしかにこの作品はクールなハーモニーを感じることのできる、クレーの中でも特別な作品だと私も思っている。
.08 2005 ART comment2 trackback0

コープス・ブライド



Corpse Bride
2005年 米
監督:ティム・バートン
声の出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター

 時は19世紀。成金の息子ヴィクターと、没落貴族の娘ヴィクトリアが、お互いの家の利益のために結婚させられる事になる。結婚式のリハーサルではじめて顔をあわせたヴィクターとヴィクトリアはおたがいに好感をもつ。その夜、誓いの言葉がなかなか覚えられないヴィクターは、森で一人で練習しながら、木の枝に指環をはめると…

  「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」、「ジャイアント・ピーチ」につづくティム・バートンの長編人形アニメ映画。生者の世界と死者の世界を行き来するかなり不気味な物語なのだが、最初は不気味に見える「コープス・ブライド」エミリーだが、彼女の人となりを知るにつれ、ちょうどヴィクターがそう思うように、彼女の事がだんだん美しく思えてくる。
 この作品は、生者の世界と死者の世界の対比がとても面白い。
 暗く、欲得ずくの現世の人々に比べ、明るく、人間味とバイタリティにあふれるあの世の人々。セットもこのコンセプトに基づいて作られているようで、現世の街並みは薄暗く重苦しい雰囲気でモノクロなイメージであるのに比べ、あの世の方が酒場をはじめ、明るいイメージに作ってある。

 それにしても、ラストはあれはやっぱり成仏したってことなのだろうか? それにヴィクトリアは一度あの男と結婚したわけで、そのへんはどうなのかな~「死が二人を分かつ」たのでOKなのかな?

 この映画、地方ではなぜか吹替版しかやってなくて、残念ながらジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーターの声を聞く事はできなかった。これは単純にアニメ映画=子供向けと判断した配給会社のミスであろう。子供の見る映画じゃないのは誰でもわかりそうなものだが…
 しかし、吹替版の面白い所は、ヴィクトリアの強欲な母が「チャングム」の敵役だったチェ尚宮の声だったり、エミリーが同じく「チャングム」のクミョンの声だったり。
 結果「コープス・ブライド」吹替版はチェ一族に乗っ取られていたわけである。って「チャングム」見てた人にしかわかんないけど。
.06 2005 アニメ comment4 trackback1

スタニスワフ・レム 泰平ヨンの回想記



レムの作品には「ソラリス」「砂漠の惑星」などのシリアスなSFと、それとは対照的な、この「泰平ヨン」シリーズや「ロボット物語」シリーズのようなドタバタ・ユーモア・風刺の効いた作品群がある。
 「泰平ヨンの回想記」は後者のグループに属する「泰平ヨン」シリーズ第2作で、8個のエピソードと「宇宙を救おう」の9編からなる短編集である。
 それぞれのエピソードは「第…話」とぶっきらぼうに名づけられていて、ヨンはそれぞれのエピソードで一人づつのマッド・サイエンティストに会い、その科学者の恐るべき発明を目の当たりにする、と言うのが基本プロットである。
 「第1話」でいきなり究極の人工知能と、神になろうとした科学者が登場し、その後のエピソードも「認識」という常識を揺さぶる哲学的な内容なのだが、この作品独特のユーモアあるタッチで重くならず読める傑作である。 
 特に「第5話」は洗濯機の開発競争がエスカレートして、最後はロボットだらけになってしまうという怪作でとても印象に残る。
 最後の「宇宙を救おう」も、時代を先取りした、環境問題を訴えた作品で興味深い。

 「泰平ヨン」シリーズは「航星日誌」「回想記」「未来学会議」「現場検証」そして未訳の「地球の平和」の五作がある。邦訳の出ていた4作はいずれも深見弾訳で早川書房と集英社から出ていたが現在はどれも廃刊となっている。私はもちろん4作とも持っていたのだが、なぜか「航星日誌」をなくしてしまった。
 復刊の予定があるそうで、復刊を首を長くして待っている所である。「地球の平和」の邦訳も期待したいが深見弾氏の亡き今、それも期待薄だろうか。
.05 2005 スタニスワフ・レム comment2 trackback0

P.K.ディック 地図にない町



 P.K.ディックの作品は20年~15年くらい前に、かなり読んだ。サンリオSF文庫を含め10作位は読んだ覚えがある。レムとストルガツキーに次ぐ私のフェイバリットなSF作家だった。
 それが今、全く手元にない。
 本と言う奴は…他の何でもそうだろうが、読んだそのときは結構強い印象を持ったとしても、何年も、あるいは十数年もたつとその印象は薄まり、よほど強烈なものしか心に残っていない。
 私の場合、ディックの作品をあんなに集中的に読んだのに、意外とその一つ一つの作品については、よく覚えていないのだ。一つ一つの作品よりも、どの作品にも共通するこの作家独特のスタイル、全体像で記憶に残っている作家なのである。

 さて本題。これは早川文庫の、なぜかNVに分類されているディックの短編集。タイムスリップして未来に来てみたら悲惨な戦争だった、という「薄明の朝食」、食糧としてオプタス人から買ったブタのような、だが高い知能を持つ動物ワブを食うべきか、食わざるべきか「輪廻の豚」、失われた惑星「地球」へ行きたいと言う大金持ちのばあさんを、適当な惑星に連れて行く「ありえざる星」、そして存在しない町を訪ねる表題作「地図にない町」。どの作品もちょっとひねった結末が用意されている。
 すごく深刻な事をさらっと書いちゃうのがこの人の作品のいいところだと私は思っているのだが、その特色はこの短編集のはしばしに感じ取れる。
 ディック、またちょっと読み直してみようかな
.03 2005 SF comment7 trackback0

小惑星イトカワ 続報

 宇宙科学研究本部(JAXA)によると、「はやぶさ」は 11月4日、12日、25日に「イトカワ」に接近して、着陸及び試料採取を行うそうである。(4日はリハーサルと位置付けてあるようだ)
 これに先立ってJAXAは「イトカワ」の高解像度の写真を発表した。

クリックで拡大
 これはすごい。石ころだらけである。大分大きな岩もあるし、なんだか表面に突き刺さっているみたいな岩もある。小惑星って火星の衛星フォボスみたいな、それ自体石ころみたいなのっぺりした表面をしているのかと思っていたら、どうもこれはそれとは違うようだ。
 さらによく見ると、この長径500メートルの小さな惑星に、石ころだらけの地域と、月の「海」のような平坦な部分があることに気付く。
 この惑星、これらの写真を見ていると、いかにも脆そうな気もする。
以前紹介した土星の衛星ヒュぺリオン(英語ではハイペリオンと発音するらしい)といい、この「イトカワ」といい、太陽系の中だけでもまだまだわれわれの知らない事は多いのだ。

 ということで、なにやら制御用のエンジンが不調なそうだが、着陸・試料採取が成功し、予定通り地球に持ち帰れるようJEXAの皆さん、がんばってください。期待してます。
.02 2005 宇宙 comment2 trackback0

機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者


 TV放送から20年たってなぜか今映画化されている「Z(ゼータ)ガンダム」。オリジナルの「ガンダム」同様、三部作になるようで、これはその第一作である。
 想像通りのつぎはぎ映画で、20年前のTVで使われた絵と新しい絵が混在している。20年のギャップは大きく、キャラの顔が全く違うのは痛い。新しい絵は「プラネテス(アニメ版)」風の柔らかいタッチで、オリジナルのシャープな絵とは違いすぎるし、オリジナルの絵は今見るとやはり古臭さは否めない。全面的に新作画というわけには行かなかったのだろうか?
 物語はTVシリーズのプロットを踏襲していて特に新味はないが、いきなりカミーユがティターンズに捕まっているのは、初めて見る人には意味不明だし、カミーユがいきなりガンダムMkⅡを操縦して、エースパイロットであるはずのライラと互角に戦うのはちょっと…?
 それにジェリドが全く見事なヘナチョコに描かれているのもどうなのか?少なくともライバル的な存在なのだし…
 新作画のモビルスーツは正確に描かれていて素晴らしい。特にジェリドが乗るマラサイは、こんなにカッコいいモビルスーツだったっけ?と思うほどである。

 次作「恋人たち」が現在公開中。ZガンダムのTVシリーズで一番のエピソード、ホンコン・シティのエピソードがある。さらにTVシリーズはその後物語が崩壊して大失敗に終わったのだったが、ここから先をどう料理するのかという楽しみもある。
.01 2005 アニメ comment0 trackback0
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piaa

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  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。
    http://blog.livedoor.jp/piaa0117/

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