スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

ストルガツキー 路傍のピクニック(ストーカー)

storker.jpg

 アルカジイ&ボリス・ストルガツキー(兄弟)はソビエト/ロシアのSF作家。
 この「路傍のピクニック」(邦題:ストーカー)はタルコフスキーが映画化したことでも有名なこの作者の代表作である。
 ハーモントはのどかな町だったがある日高度な文明をもつ地球外生命によると思われる「来訪」が起こり、町の一部は「ゾーン」と化した。「ゾーン」には「来訪者」が残した「ブツ」が転がっている。これらのブツには極めて危険なもの(「魔女のジェリー」「蚊の禿」など)有益なもの(「適量」「ブレスレット」など)意味不明なもの(「空缶」など)があり、政府が「ゾーン」を立ち入り禁止にして管理していたが、中には監視の目をかいくぐって「ゾーン」に侵入しブツを持ち出し闇ルートに売る者がいた。彼らの事を人は「ストーカー」と呼んだ…

 ここでの(邦題でもあり、タルコフスキーの映画タイトルでもある)「ストーカー」と言う言葉は「密猟者」くらいのニュアンスで使われている。現在この言葉は意味が違ってきたので、そろそろこの邦題は時代遅れかも。原題の「路傍のピクニック」は「来訪者」が「地球」でやったことと「ストーカー」が「ゾーン」でやったことの二重の意味を持つ、なかなか示唆に富んだ題名なのでこちらに戻した方がいいと思う。

 ある意味ファースト・コンタクト物なのだが、「来訪者」はほとんど人類に興味は無い。ただやってきて、痕跡を残しただけである。作者はそういうSF的な事柄よりも、そういう状況下での人間の強さ、したたかさ、あるいは弱さを描いていて秀逸な作品である。主人公レッド・シュハルトはまるで戦後の混乱期の日本みたいなハーモントの街で、妻子を抱え、ストーカーとして裏社会を生きざるを得ない。アメリカのSFにこういう切り口はほとんど存在しないので、アメリカSFに馴れた人にはこの作品はとても新鮮なはずである。
 「ソラリス」のレムがこの作品の書評を書いている。(国書刊行会「高い城/文学エッセイ」収録)レムとストルガツキーのSFに対するスタンスの違いが浮き彫りになるエッセイなので一読の価値あり。

 タルコフスキーの映画はこの小説とは大きく違う。小説が気に入った人は見なくてもいいと思う。(と言うか怒りを覚えるかも)もし観るのなら、この小説の設定を借りた別な物語として観る事。
 この映画のために書かれ、ボツになったシナリオ「願望機」も群像社から出ている。あわせて読むのも一興であろう。

ブログルポ参加記事 記事を評価する

スポンサーサイト
.20 2005 ストルガツキー comment8 trackback1
 HOME 

プロフィール

piaa

  • Author:piaa
  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。

    こちらのブログへのコメントはLivedoorに転載しますが、定期的にチェックしないので相当遅くなることもあります。

ブログナビ

P&M_Blog
 トップページ
  └ 月別アーカイブ
        └ 2005年03月

カレンダー

02 | 2005/03 | 04
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

カウンター

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。